妖 精 快 速   

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リマの国電103系



初めてのリマ

 「リマの汽車、あんリマぁ〜」というテレビCMを覚えているのは、おそらく30代後半以上の人かと思いますが、1970年代の後半頃、イタリア・リマ社の鉄道模型は、模型と玩具の中間的存在で日本でも多くの人に親しまれました。プラレール、スーパーレール、ミニミニレールといったおもちゃから、リマの汽車、そして国産のNゲージ等へステップアップしていった方も多いことでしょう。
 車両のラインナップは、やはり欧州型がメインでありましたが、日本の車両も数点発売されていました。16.5mmでは新幹線0系、貨車数種、そして国電103系です(ほかにNゲージで485系があったのが有名)。
 自分は小学生低学年の頃、リマの入門セットを親戚からプレゼントしてもらった(SNCFの小さなディーゼル機と客車2両)後、しばらくリマとはご無沙汰でしたが、数年前、大阪のとあるお寺へ向かう参道の露店で、デッドストックが山積みになっているのを発見。その中から国電103系を選び出し、買って帰ったのでありました。

 じっくりと細部を見てみます。
 まず正面形状ですが、自分はずっとこの製品は103系の中でも最後期の「高運転台」タイプだと思い込んでいたのが、実際にはそれより一世代前の「低運転台・2灯シールドビーム」でありました。なかなか渋い選択ですが、高運転台の登場は1974年以降で、この製品の製造時期がそれより前なら、当時の最新型を模したということになります。

 車体のつくりはまずまずなのですが、なぜかクーラーのディテールがまるっきり省略され、のっぺりとしたカマボコ状態なのがユニークです。

 動力はこの先頭車の貫通扉寄りに設置されています。普通、日本のメーカーなら、3両以上で編成を組む電車の場合、中間車にモーターを置くのが一般的ですが、これはやはり実物が動力集中(機関車)方式が主流になっている…つまり動力車はどちらか片方の先頭車であるのが普通、と考える欧州のメーカーならではの発想でしょうか。

 走らせてみました。もう30年以上の前の製品ですが、音はうるさいものの快調に走ります。
 走らせてみて「おや」と思ったことがひとつ。先頭部にライトが付いているのですが、前・後進時ともに「テールライト」のところが黄色く光るのです。
 配線が間違っているのだろうか、と分解してみました(屋根と窓ガラス部分が一体となっているので、割ってしまわないよう注意が必要。実際少し割れました…)。


上のヘッドライト部には最初から電球が仕込まれていません。つまり、まるっきり勘違いしているみたいです。

 続いてパンタグラフ付きの中間車です。先頭車のカナリア色に対し、こちらはオレンジ色です。これしか在庫がなかったので仕方ありません。
 パンタグラフは多分他の車両と共通なのでしょう。やや大柄で、シューの形が異なりますが、見慣れたひし形なのでそう違和感はありません。

 連結面の間隔は広いです。もう少し狭い方がいいと思います。NでもHOでも、概してトイライクな製品は連結面間隔が広めにされているもので、逆に言えばどんなに良く作られた模型でも、連結面が広すぎるとおもちゃっぽく見えてしまうので損です。


欧州型では一般的なループカプラーと日本型の組み合わせ、なんだか愉快です。

 最後に気になっていたこと…このモデルは果たして1/87で作られているのか、1/80なのか。
 手持ちのマイクロエース(旧アリイ)のプラモデル103系のボディと並べてみました。


長さ、高さともほぼ同じです。イタリア製のリマも、この103系に関しては1/80だったのでした。

(2008.03.17)

 


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